■NATSUMEN (Orange)
　元BOATのメンバーが結成したインストバンドがNATSUMEN。新作『NEVER WEAR OUT yOUR SUMMER xxx !!!』はライブ盤で、彼（女）らのどんちゃん騒ぎぶりをたっぷり堪能できる佳作でした。

　個人的な06年フジのオープニング・アクトとしてかなり期待して行ったんですが、前夜の運転とテント設営、でもってオレンジまで足を運ぶので疲れ果ててしまっていたわたしには、彼らをステージ前で見るパワーは残っておらず、土手の上から遠巻きにして見ることに…。ですが、その前に大量にお酒を飲んでいたため、こんどは睡魔が…。そんなわけでライブ中はほとんど寝ていたので、よく憶えていないのです…。アルバムでやっていた曲（BOAT時代の曲も含む）はけっこう演奏していたように思うのですが。ライブ評になっておらず申し訳ない。

■OOIOO（チラ見） (Orange)
　NATSUMENでの休憩でなんとか復活したのですが、そのあとオアシスでご飯を食べてヘブンを散歩してお酒を飲んだりしたら、また眠気が襲ってきて、この日一番のお目当てだったOOIOOの開演前では再びグロッキーになってしまいました。なにやってんだかな〜。けっきょくまた土手にのぼって、ボーッとお酒を飲んでいたらまた睡魔に襲われ、深い眠りについたのでした。ぼんやりとキックとかけ声は耳に残っているんですが、どんなステージだったかはさっぱり憶えていません…。

■矢野顕子（チラ見） (Orange)
　引き続いて矢野顕子さん。依然としてグロッキー状態だったわたしはまだ寝ていました。アコースティック・セットのため音が小さいうえに、ヘブンからはブラッカリシャスのお祭り騒ぎなアゲアゲ・ラップがもろに聞こえてきて、矢野さんの歌唱になかなか集中できません。でもくるりのカバー（「ばらの花」、だったけな…）や「春咲小紅」といった有名な曲も子守歌のように響いていたのをぼんやりながら憶えています。タームテーブルを見ると、NATSUMENから矢野顕子さんまではかれこれ６時間近くあったんですが、ほとんど座っているか寝ているかのどっちかみたいですね。体感的には１、２時間程度だったような気がするんですけど…。

■DONAVON FRANKENREITER (WHITE)
　ようやく体力も回復して、酒も抜けていたと思ったら、時間はすでに８時を過ぎていました。そこで向かったのはホワイトステージのドノヴァン。これがまた滋味溢れる渋いステージ。ようやくフジにきたという実感を感じさせてくれました。

　長髪・ヒゲにタイトなTシャツ、そしてベルボトムという、ヒッピーがかったスタイルでウエスト・コーストなサウンドを響かせるドノヴァン。優しげな声、心地よいギターの調べ、メランコリックなメロディ。まさに古き良き70年代のアメリカン・サウスロックの現代版ですが、当時の枯れた感じはなくて、もっとみずみずしいというか、澄んだ音楽、という印象でした。ラストにはステージを降りて、オーディエンスと触れあうサービス精神も全開。CD買いたいな…。

■FRANZ FERDINAND (GREEN)
　ドノヴァンで心も体もいやされたあとは、満を持してグリーンのフランツ・フェルディナンドへ。ホワイトのマッドネスも気がかりでしたが、ここは勢いのある気鋭のバンドを見たほうがきっと満足できるだろうということで、グリーンに足を向けます。

　2004年に見たときは、ルックスの良さに加えて80年代ブームに乗っかって出てきた、いかにもイギリス的にでっち上げられたハイプ（たとえばメンズウェアのような…）なのかな〜と正直思っていたんですが、よい意味でこの考えは改めさせられました。音楽そのものは一昨年見たものとはほとんど変わっていないんですが、ライブ・パフォーマーというか、エンターテイナーとしての成長ぶりに感心させられました（偉そうですいません…）。

　この２年でライブの場数を踏んできたおかげか、服装もちょっぴりラフになって、演奏も力強さ・いい意味でのラフさが出てきた印象です。メンバーが楽器を持ち替えて演奏したり、プロレスみたいにメンバー紹介したりと、こと観客を楽しませるいう点では今回のフジでも一番だったかもしれません。わたしも含めて、後ろの方までだいぶ盛り上がってました。

■ザ50回転ズ（チラ見） (Rookie)
　フランツのあとは、翌日のことも考えて早めにテントに戻ることに。その帰りぎわにルーキー・ア・ゴーゴーを通り過ぎようとした矢先、ステージからなにやらエッジーなギターサウンドが。音につられてステージに向かってみると、おそろいのスーツに身を包んだマッシュルームカットのメンバーが熱いライブを繰り広げていました。なにやら「ザ50回転ズのテーマ」という曲だそうで、歌詞はそのまんま50回転やら60回転やらと絶叫していました。観客もおそろしく盛り上がっていて、わたしたちも興味を大変惹かれたのですが、疲れていたので泣く泣くルーキー・ア・ゴーゴーを後にすることに。見ておけばよかったかな…。