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９月も半ばにさしかかり、キタジマは学生生活（たぶん）最後の夏休みの思い出を欲していた。 思い出づくりといえば、そう、旅行である。 別にいわゆる一夏のアバンチュールを求めていたわけではない。 単に最近のバイト生活から抜け出して遠出がしたかった。 しかしながらそれだけだ、とも言い切れない。 一体何を求めて古都への道を志したのか。 金がなかった…。 極めて現実的な答えがここにあった。 本当は、鳥取砂丘をこの目に焼き付けたかった。 だが、鳥取は余りにも遠すぎたのである。 昨年行った秋田でさえ、往復1300キロあまり。 鳥取へ行くとなると、往復1500キロ以上は覚悟せねばなるまい。 が、問題は距離ではない。 高速料金が何よりも問題なのだ！！ ここをかりて日本道路公団に告げたいが、高速料金が高すぎる！ せめて学割を（無理だって）！ なら一般道を使えばいいじゃないか、という話になるが、昨年秋田に行ったときは（ドライヴのコーナーを見てもらえばいいが）、夜の10時に家を出てずっと一般道で行って新潟の富山県境、糸魚川に出たのが早朝の６時。 耐えかねてそこから北陸自動車道に乗って北上し、秋田県横手に着いたのが何と午後２時だったのだ。14時間である。 さすがの肉体派（？）キタジマもこれは相当きつかった。 当然翌日はバタンキュー（死語）。 これでは観光どころではない。 それに一般道は基本的に信号待ち、カーブ、交差点が多く、距離的にも高速より不利。 一般道は金銭的な面においてだけメリットがあるのだ。 元の話の戻るが、あまりに遠いところだと、ガソリン代も非常にかさむ。 これもドライヴのコーナーを見てもらえばわかるが、最近はガソリン代が高騰しており、長距離の移動はガソリン代も考慮しなくてはならない。 我がクレスタ号"ヴェルヴェッティ"の平均燃費はガソリン１リッターあたり8.2キロ、秋田に行ったときに最高値を記録したが、そのときが１リッターあたりの走行距離が13キロあまりだった。 しかもこのときは条件が最高だった。晴れていて、信号待ちがほとんどなく、もっとも効率がよいとされる時速70キロ前後での走行が可能だったからだ。 高速道路では"ヴェルヴェッティ"のパワーのなさ（泣）が災いして、他車との流れにあわせるためにアクセルを踏みがちになり、時速100キロメートル平均で走っても１リッターあたり12キロには届かない。 でもって"ヴェルヴェッティ"のガソリンタンク容量は60リットル。 １回満タンにすれば、高速道路ではよくて700キロ、悪くて600キロと推測が出来る。 そしてまた元の話に戻るが、行程1500キロの道のりでは、出発時に満タンにしていても途中に給油が２回は必要と言うことになる。 これはキツい。 町田市周辺はガソリンがもっとも安い地域で、現在のところレギュラーガソリン（安いやつね）１リッターあたり95円前後で売られているが、さらに地方へ行くと、１リッターあたり105円近く（！！）で売られているのだ。 １リッターあたり10円違うとすると、60リットルでは600円も違う！ このようなガソリン価格の地域格差を度外視したとしても、最初の満タン時を含む計３回のガソリン給油でかかる金額は、消費税込みでは18,000円に上る。 それでも、車、しかもボロボロ、傷だらけの"ヴェルヴェッティ"で行きたいのである、キタジマというやつは。 車で行くと言うことが環境汚染であるということも承知の上だ。 何で車で行きたいのか。 やっぱり自由に行動が出来るのが何よりの利点だ。 しかしそんなことよりも何よりも、車で行きたい理由があるのである。 それは。 いつでもどこでも音楽が聴きた〜い！！！むしろ、それだけなのかもしれない。 そうして、キタジマは余りにも長すぎる鳥取への道をあきらめ、観光スポットとして、一度は訪れてみたかった京都へと足を向けたのである。 というわけで、旅行の本編は近日（すぐに）アップします！！ |