コカ・コーラ
＜コカ・コーラについて＞
私はコカ・コーラが好きだ。ペプシは余り飲まない。売っているところを余り見かけないというのもあるが。
ダイエット・コークもだめだ。甘さがクスリっぽい。
とよく言われる。が、よくよく味わって見ると、微妙な違いはあるが、絶対飲みたくない、というほど味が変わっているわけではない。
しかし、だ。
コーラを飲もうとしながらも、太りたくない、などという考えを持ってダイエット・コークを飲むこと自体が問題ではないか。太りたくないのならコーラなど飲むべきではない！
またしかし、である。
太りたくないけど、コーラが飲みたいよぉっ！そんな消費者のわがままなニーズにこたえんとする企業側の努力は涙ぐましい。
しかし、メーカ−とは、消費者の為だといいながら、その裏には利潤追求の目的が見え隠れしている。消費者がほしがるから作るのか、それとも、もうかるから作るのか。
［多くの消費者がほしがる＝たくさん売れる＝もうかる］
こういう図式を当てはめれば、消費者がほしがるから、もうけを見越して作る、と考えた方がよかろう。
その一方で、企業は、新たなニーズを作り出すのにも躍起だ。つまり、多くの消費者がほしがるであろう商品を作り出さねば、この大競争時代を勝ち抜いては行けない。
［多くの消費者がほしがる商品を作る→多くの消費者がほしがる＝たくさん売れる＝もうかる］
こういう図式だ。
具体的に言えば、いわゆるブランド物などについてこういうことが言えるだろう。では多くの消費者がほしがる商品とは何か。それはいわゆるマーケティング調査によって導き出されるのであろう。
［調査で多くの消費者がほしがる商品を見つける→多くの消費者がほしがる商品を作る→多くの消費者がほしがる＝たくさん売れる＝もうかる］
ふむ。それにしても、私がコーラをほしがる理由というのはどこにあるのだろうか。
＜「コーラ好き」とは＞
コカ・コーラはうまい。
しかし、「うまい」という理由であれば、私はトマトジュースも好きだし、ビールの類も好きなのだ。
あの炭酸が良いのだろうか。ビールにだって炭酸がある。
ではあの赤い缶がいいのか。そう、赤は情熱の色であった。
おっと、トマトジュースもだいたいは赤い缶だ。
そう考えると、コカ・コーラは、ビールとトマトジュースの足りない部分を持っているとはいえまいか。
つまり、トマトジュースは炭酸を持たない（ビールは炭酸を持つ）。
一方、ビールは缶が赤くない（トマトジュースは缶が赤い）。
しかし、コカ・コーラは、炭酸を持ち、缶が赤いのだ。したがって、こうだ。
［ビール好きかつトマトジュース好き＝コカ・コーラ好き］
という図式がここに完成するのだ！
＜コカ・コーラの生みの親＞
コラ・コーラの創業者は、猛烈なビール好きかつトマトジュース好きだったはずだ。
毎日、ビールとトマトジュースを飲んでいたにちがいない。しかし、彼はどちらも猛烈に好きだったのだろう。
きっと、甲乙付けがたいほど好きだったのだ。だから、トマトジュース好きかつビール好きのコカ・コーラの創業者はある日考えた。「一本でトマトジュースとビールの両方を味わうことが出来はしまいか」と。
ビールは苦い。トマトジュースは酸っぱい。
残された道は「からい」か「甘い」だ。しかし、当時には既に「カライ〜カ」なるスナックがすでに全米で大ブレイクしていた。しかも「カライ〜カ」のキムチ風味のパッケージは何と赤なのだ。
スナックの味を真似するようなジュースではとうてい消費者の支持を得られまい。
そうなれば、選択肢はただ一つ。「赤い缶に、炭酸の入った甘いジュース」となる。
トマトジュースとビールの要素を加え、コカ・コーラのオリジナリティである「甘さ」をプラス。
つまり、
「見かけはトマトジュースの赤い缶」
「食感ならぬ飲感はビールっぽい炭酸」
「そして風味はオリジナルの甘さ」
まさにこの３つが一体となってコカ・コーラが生まれたのだろう。
その後、同じく猛烈なトマトジュース好きかつビール好きのある人物が、「からいコーラ」、すなわち「ドクターペッパー」を出したが、オリジナルな要素がないため、販売的には失敗となったのは周知の通りだ。
もし、彼が、「カライ〜カ」の模倣ではなく、オリジナルの「甘さ」を考えつけば、コカ・コーラのブレイクはなかったはずだ。
今までの話は全くの推測だ。
実際には、コカコーラが「発明」されたのは1886年のことで、アメリカの薬剤師、ジョン・Ｓ・ペンパートン氏による（参考：「モノ・マガジン」1995年９月16日号）。
しかし私は、彼が無類のトマトジュース好きかつビール好きであったと信じたい。
でないと、なぜコカ・コーラにあの鮮やかな赤い缶が採用されたのか、が説明つかないではないか。