ラヴ・クリニック　第20回　勝手に恋愛相談（その16）

この企画は、 サンマリエという恋愛相談サイトから勝手に質問を拝借して答えてあげるという、とっても素敵な企画です。記念すべき20回と言うことで、だいぶ力が入りました。さっそく相談を聞いてみましょう。

■職場の先輩を好きになり彼は二股に。どう接すればいい？ （25歳・女性） 職場の直属の先輩を好きになりました。彼は私より10歳も年上で、彼女もいます。彼女とは付き合ってまだ４ヶ月ほどで、遠距離のため月に数回会う程度だそうです。 入社してから素敵だな、という憧れに似た感情を持っていましたが、私が元彼とうまくいかず、別れる時に彼に相談をして、それから急に距離が縮まりました。 元彼と別れた後、冗談半分でデートをしてほしいと言ったところ、落ち込んでいる私を気遣って、１日デートをしてくれました。その時に初めてキスをしました。キスの途中で彼は「彼女に悪いし、今はすぐに別れる気はないから」と言いました。しかし、その後もメールや電話を頻繁にするようになり、とうとう一線を越えました。 彼は「毎日会う私のこともどんどん好きになっているし、彼女のことも好きだし、自分は本当にずるいことをしている」と言っています。 ただ、彼は社内恋愛をしない主義だと前から言っていて、私との関係に関しても、まず社内であることが一番気にかかっているそうです。そして「10歳も年の差があることも気になる」と言っていました。逆に「彼女とはあまり会えないし、今後私とどうなるかは現段階では分からない、けれど惹かれているのは確か」とも言ってくれました。 私は彼のことが好きだし、お付き合いしたいということは伝えてあります。彼は「期限を決めて、どちらか決めたい」と言っていましたが、選ばれないことを考えると、悲しくてたまりません。 今後彼に対して、どのような態度で接していけば良いのでしょうか。今は普通にメールや電話、会ったりしています。アドバイスをお願いします。

◆日和見主義に鉄槌を
サンマリエ・スタッフチームの回答は「彼自身が、「期限を決めて、どちらか決めたい」と結論を出すつもりなのですから、あなたとしては、彼を見守る姿勢で接していくことしかないのではないか…と思います」。

例によって箸にも棒にもかからない回答です。そんな待ちの姿勢で恋愛が成就すると思いますか？　

◆彼の言動から読み解く
まず、恋愛の渦中にあるということであなたはそうとう舞い上がってはいかせんか。まずは彼の言動を検証し、その存在を相対化する必要があります。

第三者（ですらありませんが）であるわたしから見ると、彼は結構なお調子者であるように思えます。しかも相当に狡猾です。

まず「彼は社内恋愛をしない主義」だそうですが…、はっきり言いますが、あなたたちの関係は社内恋愛以外の何ものでもありません。それも支社が違うとか部署が違うとかではなくて、直属です。　デート初日でチューですよ。

まあそれはよしとしましょう。「今後私とどうなるかは現段階では分からない」「期限を決めて、どちらか決めたい」…この発言はどう捉えるべきでしょうか。あえて悪意をもった解釈をしますと、本当にどちらかを決める気があるのであれば、あなたに相談を持ちかける時点で「いついつまでにどちらかを決める」という具体的な日時を設定するはずでしょう。彼の内心では、この二股関係をできれば引き延ばししていたいという気持ちがどこかにあるような気がしてなりません。そして、この関係をずるずる引き延ばせば引き延ばすほど、あなたに不利な展開になっていくはずです。

◆二股状態を維持させるための“自己批判メカニズム”
彼の態度を増長させている原因として、２つのポイントがあるとわたしは見ました。

まず、はじめてーのチュウ♪のさいに、「キスの途中で彼は『彼女に悪いし、今はすぐに別れる気はないから』」と言った彼を許し、その後も関係を続けたこと。この発言を許容したことで、彼はあなたと関係を深めることにたいする罪悪感はなくなりました。

そして、「自分は本当にずるいことをしている」という発言ですが、このような自己批判は、二股を維持するための狡猾な戦略だと考えるべきです。

「ずるいことをしている」自覚があるならば、二股をやめればいいではありませんか。でも、あなたはその「ずるい」行為を咎めはしませんでしたね。2人がもっともラブラブ状態にあるときに彼がこういう発言をするのは、この発言をしてもあなたに咎められることはないという確信があってしているからなのです。おわかりでしょうか。彼は自身で「自分はずるい」と宣言することで、二股を続ける理由付けを与えているのです。

さて、「今後彼に対して、どのような態度で接していけば良いのでしょうか」とのご質問ですが、以上のことから、甘い態度は禁物です。彼に「捨てられたくない」という気持ちがあることは重々承知ですが、現状を放置することは彼をつけいらせることになります。ここは心を鬼にして、強硬な態度で一刻も早く彼に決断を迫るべきです。

ただ、何にもまして不幸なのは、あなたでも、そしてもちろん彼でもなく、なにも知らない彼の（いまの）彼女なのです。知らないことが幸せであることもありますが。