ラヴ・クリニック 第12回 勝手に恋愛相談(その8)

はい、こんにちは。この企画は、 サンマリエという恋愛相談サイトから勝手に質問を拝借して答えてあげようという、きわめてお節介な企画です。さてさて、今回の相談内容もかなり深刻なようです。

■おとなしい彼女の心がわからない… (29歳/男性)

 29歳の男性です。地方から出てきた新入社員の女性22歳に一目惚れしました。その女性とはメールアドレスを交換し、メールのやりとりなどを通じて、食事や一緒に帰るようになりました。

 メールでも「また誘ってください」「今度遊びに行きましょう」などの返答がくるので、早速、連休に誘ったのですが、断られてしましいました。また、誕生日も近かったので誘ったのですがこれも駄目でした。

 メールでは思わせぶりな態度を見せておきながら、断られてしまったので、自分が迷惑だったのだか聞いたのですが、迷惑ではないと・・・。ただ、一人でいるのが良いと言われてしまいました。

 ここまで言われると、自分のことに興味がなく嫌々付き合ってたのかな?と思います。それとも、社交辞令をまに受けてしまった自分が馬鹿だったのでしょうか?その女性はとてもおとなしい人なので、こうはっきりと言われると・・・。ただ、告白もしてないので、自分としては、このまま終わりたくありません。

■とりあえず、前提から
 常々思うんですが、恋愛相談というやつは、相談の状況説明があまりにも乏しいことが非常に多いのです。今回の例にしても、「新入社員の女の子に一目惚れ」したそうですが、それはこの4月に入ってきた新入社員なのか、それとももっと前(1月とか)に入ってきたのか、あるいは他にもオトコに誘われていそうなのか、芸能人なら誰に似ているのか、スリーサイズはどれくらいか(これは関係ないですね)等々…。もっと状況の詳細を教えてくれないと、相談に乗る方も占い師並の想像力を働かせなくてはなりません。

 とまあそんなわけで、ここでは2006年4月に入ってきた新入社員ということを前提に相談に乗らせていただきます。となると出会ってからまだ2ヶ月も経っていないということではないですか。ずいぶん気の早い話ですね…。

■科学的恋愛相談のススメ
 回答者の「サンマリエ・スタッフチーム」は開口一番、「本当に好きなのであれば、まずは彼女に告白をするのが一番手っ取り早いと思います」と言っていますが、何の根拠もない、きわめていい加減な回答と言わざるを得ません。それ以降の文章を読んでみても、告白を勧める理由について全く触れていないどころか、「もしうまくいかなかったとしても、失恋から生まれる恋だってあると思います」と開き直りの言葉すら出てきます。ちょっと!それは禁句でしょう! リンク先の「回答者プロフィール」を見ると、「柔あり剛ありのバラエティー豊かな回答が魅力」だそうですが、これじゃあ「剛」どころじゃありません。

 本題に戻ります。「告白してスッキリしたい」というのがあなたの希望なら、即告白でも構わないでしょう。さっさと告白しちゃってください。ですが「告白して、彼女とお付き合いしたい!!あわよくばラブラブになりたい!」ということこそがあなたの本来の、そしていちばんの望みであるはずです。ですから、まずは現状を分析することによって、告白が成功する可能性を把握すべきでしょう。その結果、告白成功の可能性が低いのであれば成功率を上げる方策を指南する、というのがわたしがモットーとする「科学的恋愛相談」のありかたです。

■現状で告白が成功する可能性はきわめて低い
 あなたが面食いかどうかは知りませんが、一目惚れしちゃうくらいなのですから、その新入社員の女の子はそうとうなカワイコちゃんと見ました。その子に声をかけている男性社員もじつはけっこういたりするのではないでしょうか。

 一緒に帰ったり、食事まではするけどデートの誘いには乗らない…という文面から判断すると、告白が成功する可能性はかなり低いといわざるを得ませんね。「また誘ってください」「今度遊びに行きましょう」といったメールは社交辞令程度のものと考えた方が無難です。メールでなら何とも言えるのですから。しかも「また誘ってください」「今度遊びに行きましょう」というメールを「思わせぶりな態度」と考えるあなたも過度の期待を持ちすぎです。メールではなく、彼女の口からその言葉を引き出さなくては。いずれにせよ、過大な思いこみは控えた方が良さそうです。

■とりあえず自分の気持ちを確かめよ
 じつはここで、数千字にわたって相手の女の子のハートを射止める方法をいろいろ書いたんですが、無駄に長くなったのでやめました。それにモテた試しのないわたしなんぞがガールハント(死語)の方法なんぞを指南したところで、いささか信憑性に欠けるのも事実です。

 そこでわたしができるアドバイスは、好きで好きで仕方がないオーラを彼女だけでなく周囲に発しつつ、ひたすら根気よく、そして控えめに彼女を誘い続けるべし、ということです。「彼女の気持ちが分からない」などと、ちょっとやそっとのことで気持ちがブレるようではいけません。「石の上にも三年」のことわざよろしく「彼女を誘い続けて三年」の意気込みでがんばってください。え? なんでそんなことが言えるのかって? なんとなく、そう思うんです。何の根拠もない非科学的な結論ですいません!

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