ラヴ・クリニック 第10回 勝手に恋愛相談（その６）はい、こんにちは。この企画は、 サンマリエという恋愛相談サイトから勝手に質問を拝借して答えてあげようという、きわめてお節介な企画です。今回も、わたしの全身全霊をかけて相談に乗らせていただきます！
すごい相談内容ですね〜。これまたいきなりはっきり言わせてもらいますが、あなた、調子よすぎです！ 自分から彼女に「距離を置こう」とかゆっておきながら、その彼女にオトコができたら嫉妬心丸出しで復縁を迫るっちゅうのはあまりに自己中心的すぎやしませんか？ 考えが甘すぎます。 わたしが助言するとすれば、毎度のことで恐縮ですが、「前の彼女とはさっさと縁を切れ！」ということです。つまり、前の彼女との復縁を考えるより、新しい彼女を捜す方に注力したほうがよっぽど生産的です。「マンネリしてきてまず僕が始めに他の子が気になって……」ということですが、その「他の子」との仲はどうなったのでしょうか。その子との仲をいかに進展させるかについて相談してきた方がよかったのに。 自分から別れを告げるにせよ、相手から去ったにせよ、いちどいなくなった相手は、まず戻ってくることはないと考えた方が精神衛生上好ましいと思います。いつまでも過去のしがらみにとらわれていては、取り残されるのはあなたひとりなのですから。 常々思うんですが、そもそも彼氏・彼女というのはいなければいけないもんなんですかね？ 小谷野敦さんなんかもよくおっしゃっておられますが、私たちはテレビや雑誌などで「人間たるもの、恋愛すべき！」という観念を意識的・無意識的に植え付けられ、強制されているわけです。みんな、なんとかその恋愛の「規格」に収まろうと精一杯努力しているのです、わたしも含めて。 世の中には『たった３分で愛される人になる』『知的な男は、モテる。』（中○彰宏）とかいった実にくだらない内容の本が無数にはびこっています。ですがそんな本を手に取る前に、一歩下がって、「なんでモテたいと思うのか？」「なんでその子じゃないといけないのか？」「自分にとって恋愛は何を意味するのか？」「そもそも恋愛は人間にとって必要不可欠なのか？」を自分自身に問うてみてください。 本能的な欲求として子孫を残したいんなら別に特定の相手である必要はないのです。わたしなんかは自分の遺伝子を残したらかえって世間様に迷惑をかけてしまうんじゃないかと思ってしまうほどです。話がそれてしまいましたが、「誰々に好かれるためにはどうしたらよいか」ということではなくて、「誰々を好きになると言うことはどういうことか」をまず考えてみることが大事なのではないでしょうか。 3000年の昔、ギリシアの哲学者は万物の根源（アルケー）を求めてさまざまに思いをめぐらせました。今回のできごとは、哲学者よろしく恋愛の根源を求めて思索を深める絶好の機会といえます。そうやってストイックに思いに耽るあなたの姿に惹かれる異性もいるはずです。……という趣旨の話が、中○彰宏の本には書いてありました。きっとあなたもモテモテですよ！ そんなわけで、がんばってください。
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